地震から国土を守る技術
■液状化のメカニズムを考える

■液状化対策を考える

 日本は、世界でも有数の地震国であり、地震により様々な被害を受けている。地盤の液状化現象による被害もそのひとつである。液状化とは、間隙水圧が上昇して有効応力が減少する結果、飽和砂質土がせん断強さを失う減少である。液状化が発生すると、地盤はせん断強度のない液体に違い現象にあるため、地盤は支持力を失い、地盤上の構造物は沈下あるいは転倒する。また、地盤中にある比重の小さい構造物には、浮力が作用して浮き上がることになる。そのため、おびただしい数の建物、家屋が破壊され、多くの人々に被害をもたらすことになる。

 記憶に新しい2004年10月に発生した新潟県中越地震では、震源地から約30kmの範囲に液状化が発生し特に信濃川沿岸では多数の噴砂が見られた。液状化による被害は、農地の噴砂、道路の亀裂、沈下、マンホールの浮き上がりが起こり、また、埋立地を中心に液状化現象が発生し、上・下水道、ガス、電力等のライフラインのネットワークが寸断され、いまだに復旧の目途が立っておらず、都市機能が麻痺状態に陥っており、人々の生活に多くの影響をもたらしている。液状化による建物の影響は液状化の発生範囲が広かった割には少なかった。

 1946年に発生した新潟地震以降、液状化現象は注目され、その発生のメカニズムや予測、対策工法に関する研究が数多く行われるようなった。液状化の発生に影響を及ぼす要因についても、1964年以降、室内実験や被害調査をもとに研究が進められ、主要な影響要因についても解明されてきた。しかしながら問題は完全に解決されていないのが現状である。液状化を起こす発生因子は、土粒子の密度、堆積状況、粒度分布、粒子形状等様々な性質による影響や有効拘束圧、構造異方性等の初期応力による影響など多くの要因があげられる。そうした中で、現在では構造物や基礎の設計施工指針の中には、液状化に関する条項が取り入れられている。

 土そのものの性質による影響では、砂は球状ではなく、幾分細長で扁平形状をなしている。そのため、自然堆積地盤は粒子の定方向配列が生じる。このことを砂地盤の構造異方性と呼んでおり、この構造異方性は砂の変形・強度特性に大きな影響を及ぼすことは、すでに多くの研究によって指摘されている。しかしながら、この研究を液状化特性の影響要因として取り上げてる例は少ない。当研究室では、排水及び非排水単調せん断特性から非排水繰返しせん断特性に及ぼす初期構造異方性の解明等についての研究を行っている。


▼この研究に関する最近の主な論文▼

「海面埋立て処分場の地震時の挙動に関する研究」 麻生茂樹,佐藤研一,山田正太郎,藤川拓朗,
  平成17年度土木学会西部支部研究発表会講演概要集,405-406,2006年3月

■「初期構造異方性を有する砂の液状化特性」三吉太朗,佐藤研一,山田正太郎,藤川拓朗,
  平成16年度土木学会西部支部研究発表会講演概要集,A-581-A-582,2005年3月

「初期構造異方性に着目した砂の非排水せん断特性」大坪智博,佐藤研一,山田正太郎,藤川拓朗,
  平成16年度土木学会西部支部研究発表会講演概要集,A-583-A-584,2005年3月


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